- HOME
- ピロリ菌検査
ピロリ菌とは
ピロリ菌は人間の胃の中に住んでいる細菌です。
長さは4ミクロン(4/1000mm)で、2~3回ゆるやかにねじれています。4~8本のべん毛がはえています。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍との関係
この菌が胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となっているということが、近年明らかになってきています。
胃がんとの関連
胃がんとピロリ菌は密接に関係しています。
10年間の観察で、ピロリ菌感染のしていない人に比べ、感染している人は胃がんになりやすいという報告があります。
現在では胃がんの80%はピロリ菌感染が原因といわれています。
(Uemura N. et al.: N Engl J Med. 2001 ; 345(11) : 784-9より)
検査方法
<尿素呼気試験>
簡便であり、よく行われているものが、尿素呼気試験法です。
診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。
30分で行える方法で、診断や、除菌療法後の判定検査に推奨されています。
<ABC検診>
また血液検査で行う、ABC検診という方法もあります。
こちらはピロリ菌の有無と、慢性胃炎の有無の両方を測定する方法です。下の図のような報告書で検査結果が示されます。
治療
厚生労働省では2000年11月より、ピロリ菌の検査、除菌を、保険の適用にしています。
ピロリ菌の除菌に成功すると、
・何度も再発を繰り返していた潰瘍の再発がおさえられる
・維持療法(潰瘍が寛解後も、再発予防のために薬を飲み続けること)が必要なくなる
などの作用があります。
ピロリ菌の除菌治療
3種類の薬(胃薬が1種類と、抗生物質が2種類)が用いられます。
この薬を1日2回(5錠ずつ)、一週間服用します。
この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
これらの薬を飲むと軟便、下痢などの消化器症状や味覚異常などを起こすことがあります。症状に応じて次のようにしてください。
●軽い下痢または味覚異常の場合:
下痢は2割前後の人に。味覚異常は1割前後の人にあらわれます。
引き続き服用しても問題ありません。服用終了後におさまります。
ただし、飲み続けているうちに下痢、味覚異常がひどくなった場合は、主治医にご相談ください。
●発疹(ぼろ)、発熱、または下痢に血液が混ざっている場合:
薬が体に合わないことが考えられます。
このような場合には中止し、受診をお願いします。